レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/06/05
- 登録日時
- 2007/12/08 02:11
- 更新日時
- 2008/03/13 14:59
- 管理番号
- B2007Y個0060-1
- 質問
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解決
「クレーン等安全規則第214条」に(玉掛け用フック等の安全係数については,5以上でなければならない)とあるが、この規則とリンクしているISOの数値はいくらか知りたい。
- 回答
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ISO 7597:1987 Forged steel lifting hooks with point and eye for use with steel chains of grade T(8) に記載されているものと考えられます。
調査の詳細については、以下をご覧ください。
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日本工業標準調査会のJIS検索のページ( http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html )の「JIS規格に使用されている単語からJISを検索」を“クレーン”と入力して検索した結果の中に以下のJIS規格がありました。
『JIS B2803:フック』
この規格の詳細表示画面にあるPDFファイルをクリックするとJIS規格の全文を閲覧することができ、その中の4/33ページに安全係数に関係する以下の記述がありました。
「5.3 静的強さ フックは,10.2に規定する方法によって試験したとき,表2のプルーフロードの2倍以上の引張荷重に耐えなければならない。」
使用荷重とプルーフロードの関係については、文言として明記されていませんが、表2を見る限り、ほぼ、
(プルーフロード [kN])=(使用荷重の最大値 [t])× 20
の関係にあるようです。1[t]の荷重がほぼ9.8[kN]の力に相当することを考慮すると、静的強さは最大使用荷重の(20/9.8×2)倍以上の引張荷重に耐えなければならないことになります。
このJIS規格に対応するISO規格にお尋ねの数値が記載されている可能性があります。対応するISO規格については、同JIS規格の3/33ページに、以下の記述がありました。
「この規格の対応国際規格ISO 7597に規定するアイフックは,附属書2による。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 7597:1987 Forged steel lifting hooks with point and eye for use with steel chains of grade T(8) (MOD) 」
附属書2“(規定)ISO 7597に規定するアイフック”(14/33 ~ 19/33ページ)には、14/33ページに、
「1. 適用範囲 この附属書は,1987年に第1版として発行されたISO 7597, Forged steel lifting hooks with point and eye for use with steel chains of grade T(8) を技術的内容を変更することなく翻訳したつり具用アイフック(以下,アイフックという。)について規定する。」
とあり、使用荷重、プルーフロード、静的強さの間の関係については、文言として明記していないものの、いずれも附属書2表2によるものとしており、表2中の3者の関係は、JIS規格の本文中での関係とほぼ同じようです。
ISO 7597については、当館関西館が以下の書誌事項にて所蔵しています。
請求記号: M/ISO 7597:1987
規格番号: ISO 7597:1987
タイトル: [国際標準化機構規格(ISO)]
発行形態コード: 0101: 図書
書誌ID: 000003306809
なお、ご参考まで『ISO 7597』以外でフックの安全係数について記載されている可能性のあるISO規格を以下に列挙いたします。
(1) 日本規格協会のJSA Web StoreのISO検索のページ( http://www.webstore.jsa.or.jp/webstore/ISO/Search.jsp?lang=jp )で、標題として“hook”と入力して検索したところ、人名“Hook”で検索にかかっている5件を除いて11件のISO規格がヒットしました。このうち、お尋ねの内容が記載されていると思われるISO規格は、上記のISO 7597以外では以下の2件でした。
・ISO 2308:1972 Hooks for lifting freight containers of up to 30 tonnes capacity -- Basic requirements
「30トン以下の貨物コンテナ用フック-基本的要求事項」
当館関西館所蔵 請求記号: M/ISO 2308:1972
・ISO 4779:1986 Forged steel lifting hooks with point and eye for use with steel chains of grade M(4)
「等級M(4)の鋼チェーンと一緒に使用するポイント及びアイ付き鍛鋼製フック」
当館関西館所蔵 請求記号: M/ISO 4779:1986
(2) 同じくJSA Web StoreのISO検索ページで標題として“crane”と入力・検索して得られた規格のうち、標題からフックの安全係数が記載されている可能性があるISO規格は以下の6件でした。
・ISO 7363:1986 Cranes and lifting appliances -- Technical characteristics and acceptance documents
「クレーン及び吊り上げ器具-技術特性及び合格文書」
当館関西館所蔵 請求記号: M/ISO 7363:1986
・ISO 12480-1:1997 Cranes -- Safe use -- Part 1: General
「クレーン-安全使用-第1部:一般」
当館関西館所蔵 請求記号: M/ISO 12480-1:1997
・ISO 12480-3:2005 Cranes -- Safe use -- Part 3: Tower cranes
「クレーン-安全使用-第3部:タワークレーン」
当館関西館所蔵 請求記号: M-ISO 12480-3:2005
・ISO 12480-4:2007 Cranes -- Safe use -- Part 4: Jib cranes
「クレーン-安全使用-第4部:ジブクレーン」
当館未所蔵
・ISO 15442:2005 Cranes -- Safety requirements for loader cranes
「クレーン-ローダクレーンの安全要求事項」
当館関西館所蔵 請求記号: M-ISO 15442:2005
・ISO/TR 19961:2005 Cranes -- Safety code on mobile cranes
「クレーン-移動クレーンの安全コード」
当館関西館所蔵 請求記号: M-ISO/TR 19961:2005
インターネットの最終アクセス日は2007年5月31日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 運輸工学.車両.運搬機械 (536 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- クレーン -- 規格
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000040146